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信楽の登り窯窯元    「宗陶苑」の日記。      焼き物製作、商品紹介、日々の日記などなど・・・


by soutouen

想うままに

《思い付きで》

のぼり窯に火を入れて4日目、火袋の大焚き、投薪(とうたん)の時、
構内一苑に黒い煙で覆われる。
近隣の皆さんには本当に迷惑である。
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「信楽の姿である。」
・・・苦情をこらえて下さることに深い感謝の念、忘れてはならない。
伝統を守る為の理解と信じている。


日本には薪以外のエネルギーは存在しない国である。
世界がこの一世紀、化石燃料を使わず薪で辛抱すれば温暖化は無かったろう。
近代化には勝てない人間社会をどう理解すれば?
サミットの話題は何であろう・・・

科学の力でもっと進むのか。
「もったいない」、「辛抱」をするのは人類であろう。
みんなで熟考しよう。

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薪は人類に大きな貢献を与えてくれる。
世界中の焼物界はみんな薪から始まった。
日本の場合、赤松を筆頭に総ての樹木が焼物のエネルギーである。
必須の存在であると同時に作品、器物に燿変(ようへん)と呼ぶ様々な変化を与えてくれる。

日本では茶人を始め、これ景色(けしき)と表現し愛眼愛用している。
私はこの素晴しい変化が、絶対に同じ物が無い(出来ない)
この希少価値を好むと表現するより、尊さを感じる。止められない・・・

10日程たつと、この窯出(かまだし)をする日が来る。
何百回重ねて来たが、いつも同じ気持でこの日を待たせてくれる。

作陶から仕上げ乾燥、窯詰め、窯焚きの長い工程で、
都度微妙に原料の粘土の調合、巧み、デリケートな心配りが希望に連なる。
最後に炎が仕上げをしてくれる。

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のぼり窯、それが私の命、いのちである。
もうすぐ 答えは次回に・・・

寿方記
by soutouen | 2008-08-13 08:40 | 会長 | Comments(0)