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信楽の登り窯窯元    「宗陶苑」の日記。      焼き物製作、商品紹介、日々の日記などなど・・・


by soutouen

「耳順の窯」 寿方作灰被り壷


窯焚きごとの限定品。
今回は「耳順の窯」と名付けました。

(耳順)じじゅん 
論語為政「六十耳順」(修養ますます進み、聞く所、理にかなえば何らの障害なく理解しうる意)
六十歳の異称。
・・・広辞苑より


「六十耳順」とは六十歳にして初めて異なる意見にも
素直に耳を傾けることが出来るようになるということ。
自分の意見ばかりを押し付けるのではなく、
広い知識と心でもって、人の意見も真摯に受け止めましょうと言ったところでしょうか。

ではなぜ今回の窯の名が「耳順の窯」なのか?
そうです!!
当苑は皆様のおかげさまで今年、創業六十年となったのです024.gif

当苑は江戸時代に築用された登り窯を現在もなお使い続けている窯元という事で
お客様からはすごい老舗に思われる事も多いのですが、
会社は現在85歳の会長上田寿方が興したものなのです。
なので当苑の巨大登り窯も昔から当苑が使用し続けてきたという物ではなく、
もともとは共同窯として色々な窯元から品物を集めて一緒に焼成・運用されてきた窯を
直方家から譲り受け、当苑のみで運用するようになったのです。
そしてもちろん窯自体も江戸期から同じ物を使い続けているという訳ではなく、
何度も崩してはその廃材を利用して造り直しを繰り返して現在に至ります。
当然ながら使用され続けている窯という物はそんなにもちませんので。
現在の窯の状態は平成八年に窯の前半分を造り直した物ですので
前半分は約10数年、後半分は60年ほどの状態です。


さて、そんな記念すべき六十周年の限定品ということで
まず本日はその会長の作による灰被り壷です!!
「耳順の窯」 寿方作灰被り壷_f0014970_175916100.jpg
         

肩の部分にヘラによる円があしらわれた
「ザ・信楽焼」な壷です。
形や加飾がシンプルでも灰被りによる自然の景色が作品を彩ってくれます。


「耳順の窯」 寿方作灰被り壷_f0014970_18323969.jpg


むろん灰被りでの焼き上げですので1点1点の焼き味にはかなりの個体差がございます。
こちらは青白く載った灰と左部の“貝め”がポイントです。



「耳順の窯」 寿方作灰被り壷_f0014970_18384027.jpg
なかにはこの様に破れて崩れた物も。
これもかえっておもしろかったり。
花を活けられる方はこういった“破れ壷”も好んで使われます056.gif
ただし、水は漏れますので中に瓶等で“おとし”を入れて頂かなければなりません。


こういった灰被りの壷は花を入れず壷単体で飾っても
充分に存在感がありますが、
壷の焼き味により、どんな花を入れようかなと考えるのもいいものです。
そして限定数20点のこれらの壷を下記「震災支援の催し」では
それぞれに桜を活けて展示します!!017.gif
催しの二日間に御購入頂いた方にはその桜もプレゼント!!016.gif
帰ったその日にすぐ花が入った状態で飾って頂けます!!!006.gif

この週末は桜の入ったこれらの壷を眺め、お茶とお菓子でホッとしませんか?
皆様のお越しをお待ちしております。


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『宗陶苑震災支援の催し』

日時:4月9日(土)・10日(日)
   10:00~16:30
場所:登り窯 宗陶苑 

御来苑の皆様に無料にてお抹茶とお菓子をお出しさせて頂きます。
桜を愛でながらの一服をお楽しみ下さい。

また両日の売上の一部は義援金とさせて頂きます。

どなた様も御気軽に御参加下さい。
皆様の御来苑、お待ち致しております。

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by soutouen | 2011-04-06 18:55 | 店長一号 | Comments(0)