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信楽の登り窯窯元    「宗陶苑」の日記。      焼き物製作、商品紹介、日々の日記などなど・・・


by soutouen

小鹿田焼


九州旅行で一番の目的(呑み食いとは別で 笑)、
それは大分の産地「小鹿田焼(おんたやき)の里」を訪れること。

この産地、うちのおじいさんがとにかく大好きで
店でもよくお客さまにお茶を淹れながら小鹿田の話をしております。
僕はそれを横目で聞きながら
「頼むから他所の話より、自分とこの話をしてくれ~」
なんて思っている訳ですが(笑)
しょっちゅう聞かされるサブリミナル効果もあって、ずっと気になっていた産地です039.gif

それに小鹿田からも以前から若い方の研修旅行や、
奥様たちがお見えになったりと少なからず親交があり、
今回やっと訪れることが出来た念願の地。001.gif

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小鹿田は昔乍らの製法で焼き物作りを続けている産地です。
里には十軒の窯元があり(十四軒中!)、
どの窯元も弟子をとらず一子相伝(北斗神拳!?)でその技術を受け継いでいます。


当苑も大概、時代錯誤と思われかねない昔乍らの製法をとっている窯元ですが
小鹿田はそれ以上です045.gif

なんせ臼で土を砕き、蹴轆轤(けろくろ)でモノを作り登り窯で焼いていますが、
当苑では昔乍らの登り窯で焼いていますが、土練機や電動ロクロも使いますから。



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土は毎年決まった分量を共同で掘り出し、
それを写真のような「唐臼」と呼ばれる水の力を利用して砕いています。
信楽の土と違い鉄分を多く含み肌理の細かい土。


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里を流れる川の水を使って、ししおどしの要領で後ろ側に水が溜まると叩くという寸法です。
どの家でも「ギギィ~、・・・ゴットン!」という音が聞こえてき風情があります006.gif


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砕いた土は奥の水槽で水簸され、手前のプールで水抜きされます。
小鹿田では土づくりは女の仕事。
どの家でも奥さんが、櫂のようなもので混ぜたり濾したりされていました。

一方、轆轤を回してのモノづくりは男の仕事。
一子相伝なので親子で作業をされている家が大半。
作られている作業はかなり面白く、時間を忘れてじっと見た。
穴が開くほどじっと見た027.gif
(じゃまをしてはいけないと、写真は撮りませんでしたけど)

完全に男女で役割分担がされているのですね。
仮に結婚できなかった場合はどうなるんだろう・・・恐ろしい002.gif



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水抜きされた土はこちらの乾燥窯で乾かされます。
もちろんこの窯も薪で焚かれます。



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こちらは登り窯。
ちょうど窯詰め中でした。
当苑のものとはだいぶつくりも傾斜の角度も違いますし、
詰め方なんかも焼き上がりで狙うものが違うので、当然まったく異なるものでした。

湯呑みが載ってるなが~い“さん板”も、いつも使っているものの倍ほどの長さです005.gif



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いろんな窯元で買ってきたモノたち。
みんな小鹿田の代表的な手法である「飛鉋」。
見た目は似てるけど、どれも土の雰囲気や釉薬、鉋の入り方が違う別のモノ。

べつに里内にショップがある訳ではなく、各窯元の軒先等で売られています。
なので普段の仕事をしている方に声をかけて
売ってもらったり包んでもらったりするのですが、
年々「小鹿田焼きの里」はメディアなどにもクローズアップされるようになり、
今年の春には「小鹿田焼陶芸館」も新装され、
以前に比べて観光客も増えていってるのではないかと思います。
そんななか、今まで通りの仕事もしつつ接客もになると大変だろうなと感じます。

実際この日も他にもバスで観光の方々もいらっしゃいましたし、
雑誌かなにかの取材を受けている職人さんなんかもいらっしゃいました。
それに旅行中に車で聞いたラジオでは、小鹿田焼きを取り上げたものもよく耳にしました。
注目が集まるのは産地として良い事なんだろうけど、
300年以上続いた営みが「観光化」でおかしなことにならなければいいなと、
余計な心配をしてしまいます025.gif
(いらんお世話か…)



小鹿田焼_f0014970_10255699.jpg

里の入り口にあるトンネルにも飛鉋の小鹿田焼きレリーフが041.gif

“変わらず続ける”ことの価値を考えさせられる小鹿田訪問でした。
今度は窯焚きしてる時に合わせて、また行きたいな~003.gif



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by soutouen | 2012-12-19 17:49 | 店長一号 | Comments(0)